第2章 狐喫茶へようこそ。
さやか「じゃ、また明日!バイバイ♪」
「ばいばーい。」
軽くさやかに手を振りかえす。
目をキュッと細めて、くるっとスカートを翻し、足軽に歩いていくさやか。私もあんな風に軽く生きられたらな…。別に、さやかをバカにしてるわけじゃない。軽く生きられるのはきっと強いから。
私は弱い…。
視界がぼやける。目をこすってパッと目を開けると1枚の紙が目に入った。
狐喫茶
バイト募集中!未経験者、大歓迎。
一緒に喫茶で働きませんか?
心を癒す喫茶を一緒に作りましょう。
時間帯…17:00〜あなたの心が温まった時まで
場所…そこの曲がり角。
悩む時こそ強くなれる。
きつねさん。
そこの曲がり角?そんなとこに喫茶店あったっけ。ちょうどバイト探してたし、行くだけいってみようかな。
「悩む時こそ強くなれる…っか。」
少し顔が緩み笑顔になる。
角を曲がると、狐喫茶と書かれた看板がぶら下げられたログハウスを見つけた。
木で作られてるんだ。小さいけどおしゃれだな。
「すいませーん。」
ガラッとドアを開けると、優しい香りがふわっと広がる。上がっていた肩の力がすーっと抜ける。
?「いらっしゃいませー待っていましたよ♪」
メガネをかけた男性が満面の笑みで迎えてくれた。