第1章 始まりの予感。
「ふー。」
始業式が終わり、春の匂いを嗅ぎながらグッと伸びをする。また新しい学年が始まるのか…。
さやか「!同じクラスだね!ほんとよかったー♪一緒にかえろー!」
さやかは中学の時からの友達。こんな私のことを大切にしてくれる数少ない友達だ。
「うん。私も嬉しいよ。さやかの前だと、ほんと気楽でいられるからね。」
さやか「なにそれー、褒められてるかわかんない!てかもっとテンション高く喋りなよー!!」
「えー。そうゆうのは性に合わないのね。」
さやか「ふっ。まぁそういうとこ好きだけど。」
「逆になんで、そんな楽しそうに話すの?」
さやかがじっと私を見る。何か聞いちゃいけないこと聞いたかな…?
「あー、ごめん。」
さやか「へ?なんで謝んの。」
「いや、なんとなく。」
さやか「なにそれー。あ、さっきの答えね。楽しそうじゃなくて楽しいからだよ!」
「うそだー。」
さやか「嘘じゃないって!」
「私と話してて楽しいわけ?」
さやか「うん!って結構、貴重な女子高生だよ。」
「意味わかんない。」
さやか「は私といるの嫌?」
少し寂しそうに聞いてくる。
「…なわけない。」
さやかの目がほんの少し大きくなる。
さやか「なら、いいじゃん!は、いちいち考えすぎなんだよ。人と話すのに理由とかいらないんだって!」
「うん。」
さやか「てか、ってバイトするー?」
「バイト?さやかすんの?」
さやか「うん!パン屋ですることにした!」
「パン屋かぁー。私も何かやろっかな。」
さやか「まじ!?」
「だって部活とか入んないし」
さやか「そっか♪ 決まったら教えてねー」
「わかった。」