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《ヒロアカ》夢みるタマゴと春の唄

第12章 その件に関しましては


雄英高校ヒーロー科のカリキュラムでは、午前に行われる授業に英語や数学を始めとする必修科目が割り振られている。ヒーローになるための、そして、ヒーローになってからのことを学ぶのは、お昼を食べて一息ついた後だ。どんな職業に就くためにも一般教養が必要なように、ヒーローとしてやっていくためには、人助けや戦闘の訓練だけではなく一般教養も身に付けなければならないというわけだ。観光や出張で日本を訪れている外国人を「英語が分からないから避難誘導できませんでした」では話にならないし、ヒーローとして活動していく上で、ニュースの見方や情報の集め方を始めとするリテラシーを身につけておくことももちろん必須だろう。そういった能力を養うために、全学共通の授業に一日の半分があてられている、のだが。

「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは?」

昨日の個性把握テストがあまりにも衝撃的だったせいか、普通すぎて気が抜けてしまう。まるで中学生に戻ったような気分だ。違っているところといえば、教師がプロヒーローであるということと、授業内容の難易度が上がっているということくらいだろうか。あと教員のテンションが妙に高いのも付け加えておこう。九十九は黒板から視線を逸らして教科書に書かれた例文を指でなぞった。

こうやって普通に授業を受けているけど、雄英高校教師全員がプロヒーローって改めて考えるとすごいことだよな。ここの合格発表の日に俊典さんから告げられた「私も今年から雄英高校で教師として勤めることになったんだ。向こうでもよろしくね」という言葉が衝撃的すぎて持っていたお茶碗を割ってしまったことは記憶に新しい。もっと早く教えてほしかった。

担当課目は秘密と言われたけど、ここで学校生活を送っている限り必ずどこかで出会うはずだ。どこでエンカウントするかどきどきしながら過ごしているのにまだ影すら見ていないということは、もしかして担当している学年が違うのかな。いや、まだ新学期二日目だし、彼が一年生の授業を受け持っている可能性はある!学校の先生をやってる俊典さん、いやオールマイト、かっこいいな~!先生!オールマイトが先生!めちゃくちゃに頑張ってしまうそんなの。

「おらエヴィバディヘンズアップ盛り上がれーーー!!!」
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