第43章 煙 くゆりて 人 攫う
瑠璃が考えている間も、男達は値踏みするように瑠璃と美弥をニヤニヤと汚い笑みで見ながら、何かを話している。
「こっちの女に決まってる」
「そっちも、それっぽくねぇか?」
「2人共そうだったりしてな」
「いや、1人だと聞いている」
「2人連れて行って、違った方は船に乗せちまいましょうぜ」
仲間同士 ごちゃごちゃ言っている。
(信長の女 の顔は知らないのね)
瑠璃が会話から察するに、
「信長の女」の顔は知らないで来たようだ。
(って事は、安土の人ではない、か…)
瑠璃は冷静に男達を見つめる。
が、