第39章 安土凱旋帰還と平穏の日
瑠璃は政宗に身体も心も預ける。
いつしか、瑠璃の警戒心や猜疑心の壁は薄くなって、今、政宗にはそれを全く見せなくなっていた。
(無防備に…俺が何もしないと思ってんのか?)
政宗は膝の中の瑠璃を見て苦笑するも、
幸せそうな瞳をしている。
(その無防備な安心感と信頼感、すぐに裏切ってやれるんだぞ)
そんな事を考えながら抱きしめる…。
そして、その後、瑠璃の安心感を簡単に裏切ったのは言うまでもなかった。
それでもその日、2人は泉殿で爽涼の1日をゆっくりと過ごした。
平穏で幸せな1日。
<戦いに 燃え落つるのは 命か城か
ただ無事想ひ 祈る月夜に>