第38章 戦勝し戴天に近づく
「お前らッッ‼︎」
政宗が驚いたは後方の様子にか、
そこに居るはずのない人物が居たことにか。
「ちゃんと付いて来いよ!」
チッッ と舌打ちして上方へ向き直れば、
ヒュッ と足元を矢が通り過ぎる。
「前方も気を付けて下さい」
向こうが空いて見える側桁階段の隙間を矢が通過し、対面からの兵に刺さる。
「後ろはワタクシ達がお守り致します」
駆け登る政宗の左右 擦れ擦れに援護の矢が、
上階で待ち構える敵兵へ飛ぶ。
「思う存分叩き斬るが良い」
悪人が愉快そうに、暴れ龍と化した政宗を見上げて笑った。