第38章 戦勝し戴天に近づく
本丸を揺るがす程の足音。
「続いて登れ!」
道を作るのは、先頭で楽しそうに刀を振るう政宗。
刀線も踏脚も軽やかに翔踊する。
「止めろ、止めろぉぉっ」
「止められるもんなら止めてみろ!」
揚々として躍動し豪快に笑うが、
その眼は刀同様 鋭い。
軽くもない刀を両腕で、軽々と舞うように操り、
踊るように前に進む。
天守へと急階段を登る。
その背に、
「政宗様ーーっ‼︎」
誰かが叫びかける。
「⁉︎」
その声に弾かれるように政宗が振り返りかけた、
寸陰
バアァーーンッッ‼︎‼︎
狭い空間に、耳をつん裂く銃声が響き、
身体が揺れ、傾ぐ
「政宗様ーーっ」