第38章 戦勝し戴天に近づく
光秀が笑う。
「上出来だ。やはり、俺の側で間者(かんじゃ)にならないか、玉瑛」
地下道を誘導していたのは、いつの間にか入り込んでいた光秀と小姓 瑠璃。
「さあ…お前の役目は此処までだ、が……一緒に来るか?」
光秀が手を差し出す。
冷え冷えとした金色の瞳に見つめられ、
恐れながら、吸い込まれるように返事が口から出ていた。
「はい、行きます」
光秀が頷く。
「此処からは本当に危険だ。
俺の側を離れるな。そして、俺の指示を聞け。
いいな、玉瑛」
「……はい……」
(どれくらい危険なのか想像がつかなくて、怖い…)