第37章 嫉妬と支配と快楽と(R18)
安土には無自覚なヤツが多数いて、
誰とは言わないが、ウンザリ と天を仰いでみせる。
「政宗は自覚して、意識的に誘惑して翻弄してたんだ。
それ、女の敵ー。嫌な男ね」
嫌味で返してくるのに、クスクスと笑うのが
堪らなく可愛いと思う。
(あーーぁ…俺、駄目だわ……)
重症。
以前にもまして重症。
酷くなる一方の気がする。
恋の病 とはよく言ったもんだ。
「つったく…揚げ足取るのが本当に上手くて困る。
お前を口説き落とせる男なんているのか?」
その言葉を聞いた瑠璃は、
素の笑顔を フッと収めると、美しい作り笑いをみせて、
「いない ですよ」
言い切った。
「いるとしたらーー…」
(いるとしたら?)
どう言う男だ。
瑠璃にも好み ってモンがあるだろ。
「……政宗だけかな。
私、政宗にしか心が反応しないみたい」
得色として瑠璃が、銀鼠色の瞳をキラキラと輝かせ政宗を見ている。
(そう言うのは、反則だっての)
「お前には勝てないわ。可愛い俺の女神様」
チュッチュッッ と口付ける。