第35章 休息労癒(R18)
(あったかいな……)
認識した途端、触れ合っている、瑠璃の体温を感じた。
温かいな と思えば、殺気立ち、すさんでいた嵐のような気が、不思議にゆっくり凪いでゆく。
顔を上げて見れば、涙を流しながらも、
真っ直ぐ、凛とした瞳で俺を見ている、
瑠璃の顔があった。
悲しみ、憐れみ、痛み、弔い 全てを感じ、
理解しながらもそれを見せないで、強く凛と清冽厳潔に静かに泣く。
その涙が、俺の深い部分を浄化してくれているようで好きだった。
(心が洗われ、救われる)
目を閉じ、ひとつ深く息を吐くと、
目を開け、瑠璃を見つめる。
(あ…)
「ただいま、帰った」
優しく口付ける。
「お帰りなさい、政宗っ」
蒼い瞳が澄み光り、輝きを取り戻してから、細められた。
嬉しくて笑みが溢れる。
どちらともなく、微笑み合った。