• テキストサイズ

《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第34章 戦雲立ち 戦火拡大




「退けーーっっ!」
自ら立った最前で、その号令を出した家康自身も、
苦渋に満ちた顔をしながら、馬を後退させる。
「無駄死には無用だ!退けーっ‼︎」
雑兵、歩兵を前列から遠ざける間、
家康は馬をジリジリと後退させながらも、
敵陣へはけして背を向けなかった。

バサッッ

荒々しく天幕の入口の垂れ幕を払い入ると、
ドンッ!
机に激しく拳を叩きつける。
「クッッ……」
机に手を突き、悔しそうな声をひとつ漏らす。

(この俺が…退却………
まだ、こんなにも弱いのかッ⁉︎)

自分の指揮の元に多くの兵が命を落とした。
守れなかった命。

(あの頃と、変わらないのかっ!)

数で劣っている所為だと思っていても、
悔しくて、歯痒くて、やるせなかった。




/ 1530ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp