第33章 春花酒宴
「政宗さん…瑠璃のこと…」
「家康ーー。俺がコイツの事、どれくらい愛してるか知ってんだろ。心配すんなよ」
以前、休みなく抱いて、寝こませた事を政宗は言っているのだ。
(俺じゃぁ、傷を舐め合うだけにしかならない…)
「家康、そんな感傷的になるなって。コイツ、
前から、お前の事は、好きだって言ってたんだぜ」
「え……なんで…」
「やらねぇけどな」
戸惑う家康に、政宗はちょっと意地悪に、
余裕の表情で言うと、笑った。
すっかり寝入ってしまった瑠璃を負ぶって、
城を出た政宗。
御殿へと道を歩いていると、
「伊達様!」
若い男達に行く手を塞がれた。