第33章 春花酒宴
「宴を開くぞ。今日は瑠璃を慰労してやれ」
信長の命で急遽、花宴の席が準備された。
すぐに用意が整い、桜の下に集まったが、
女性2人は少し遅れて、連れ立って来た。
「遅かったな。何をしておった」
「私達も準備ですよー」
不満そうな信長に美弥が答える。
「あぁ、着替えて化粧を施したのか」
「流石、秀吉さん」
薄桃色の頬紅をほんのり乗せて、
みずみずしい、サクランボのような口紅が
唇を色付けている。
現代から持ってきた口紅とグロスを塗ったのだった。
嬉しそうに笑う2人をチラッと見た家康が、
面倒くさそうに発言する。
「今更、特別に化粧する必要なんてないじゃない」
「家康ったら、女心が解ってないなぁ〜。
化粧したり、綺麗な着物に着替えたら、テンションもっと上がるじゃない」
美弥の口から飛び出した知らない言葉。
「は?」