第32章 女神敬仰
美弥に同意する者は誰もいない。
ただ 三成が
「そうですね、美弥様はいつも笑っていらっしゃらないと」
天使の笑顔で瑠璃に同意した。
騒々しくも和やかな美弥の周囲で、秀吉が
1人、鬼のような厳しい顔をしてずっと瑠璃を見ていた。
「……こら、瑠璃。
虎尾春氷だとは思わなかったのか」
「秀吉様…」
(三成くん、こびしゅんびょう ってどう言う意味?)
(虎の尾を踏み、春の薄い氷の上を歩く と言う事で、危険なことを例える言葉ですよ)
こっそりと三成に助言を求めた美弥に、
こっそりと答える三成。