第32章 女神敬仰
「…玉瑛…」
「うそぉ〜…」
信長の斜め後ろで、驚愕の表情を見せる秀吉と、
口元を両手で覆って驚く美弥。
「この小姓には皆、見覚えがあるであろう」
緋色の瞳をギロリと下へ向け、
ワザと高圧的な気を放って見せる信長。
「連れて歩いていたのは政宗だ。
貴様らが 政宗の色小姓だの、優男だのと
馬鹿にしておったのは、残念ながら、
政宗の女であり、我々が目をかける女、瑠璃 である」
高らかに宣言すれば、瑠璃が自ら静かに頭を下げる。
(出来た女だ)
解知していても嘆服する。
下で見ている者共は、皆 間抜けずら だ。