第31章 深想伝心 花香酔心(R18)
言葉では全てを伝えられないとしても、
少しでも多く伝え届けられるよう。
口を開く。
「愛してる…政宗…。だから、もっと…
貴方のモノに、して…欲しいの…」
腕を伸ばし、政宗の首に巻き付け、
抱きついて、耳元にそっと囁く。
「壊れないから、政宗の、好きにして…お願い。
私……全部、政宗のモノだよ。
……全部…あげる…」
言葉にすれば、ドクンッ と鼓動が跳ねた。
瑠璃の鼓動か、俺の鼓動か、
ドクンッ と強く跳ねた。
もしかしたら、お互いの鼓動だったのかもしれない。
銀鼠色の瞳が俺を映して、楡楡とし、
形の良い唇がゆるりと弧を描いている。
甘い甘い瞳と紅い紅い唇に吸い寄せられるーー…