第29章 慈愛の時間(R18)
「お前はどうしてこんなに可愛いんだろうな」
心が折れそうな瑠璃とは反対に、
ウキウキとした口調で政宗に言われ、
瑠璃が幾分不服そうにする。
「……からかってるんですか?」
「なんで?本気で思ってるぜ。
俺に懐いてる可愛い猫みたいで、気分がいい」
ちょっと唇を尖らせる瑠璃。
「…猫は気紛れですから、不意に居なくなりますよ」
「ならないなー。こーんなに俺に懐いてるんだぜ」
瑠璃の瞳を覗き込みながら、
自信満々に政宗は言い切る。
「その自信、何処から来るんですか」
少々、呆れ気味の瑠璃に、政宗は、
瑠璃の心臓の有るところを指差して、
「ここから」
悠々泰然と笑った。
「〜〜////…今日は、私の負けです…ね」
照れながらも残念そうに項垂れる。
(そんなにガッカリするもんなのか?)
瑠璃の気の落ちように、くくっっと笑う。