第29章 慈愛の時間(R18)
ちゃぷん……
政宗は玄関からそのまま、瑠璃を湯殿に引いて行き、一緒に風呂に入っていた。
「ここ擦りむいてる。
ここも、ここも、青くなってる。肩から落ちたのか?」
心配する政宗に、瑠璃は首を小さく横に振る。
馬を突き飛ばす様に、後ろに身を送った。
スローモーションなら、瑠璃はそこに留まって、
馬だけが先に行ってしまった様な感じだった。
「立って背中を見せろ」
政宗に言われ、腕で胸を隠すようにしながら、背を向けて立ち上がる瑠璃。
丸まって背中から落ちたのだろう、背中の真ん中辺りから右肩にかけて、打ち身で変色し、擦れて赤くなった跡が見える。