第28章 鷹狩の蛇
蛇は一大事になる前に、無事捕まえるに至った。
本当に出てくるとは思っていなかった一同。
飛んで火にいる…なんとやら、だった。
「玉瑛くんの為の競技会で、今日の鷹狩もその一環だったって事ですか?」
城に帰り、広間で事情を聞いた美弥が驚く。
「城に上がった日から、悪口や嫌がらせが、
そんなに酷かったんだ…大変だったね…」
表情を曇らせる美弥。
「皆様が助けて下さいましたし、大きな被害もありませんでしたので。」
瑠璃は、済んだことだと、笑ってみせるが、それでも美弥は、悲しげな目をしている。
「美弥様。
私の所為で、傷だらけにさせてしまって、本当に申し訳ありません。
私と一緒に乗っていなければ……」
瑠璃が謝ると、美弥は ニッコリと笑う。
「たいした怪我じゃないし、気にしないでっ。
それに、玉瑛君の方が辛いことだったじゃない」
(城内で疎まれて、意地悪された挙句、殺されかけて、大切にしていた馬も失うなんて)
思って、涙を溜める美弥。