第28章 鷹狩の蛇
「アイツを怒らせるとなかなか面白い。良い余興であった」
興味津々で瑠璃の行動を見ていた信長は、
さも満足そうに笑った。
「光秀、刀を抜いて楽にしてやれ。聞くに堪えん」
「もっと楽しんではいかがでしょう」
「お前がいたぶりたいだけであろう。
男の呻き声など、聞きとうない」
「残念ですね…」
呻く男の脚から光秀が脇差を抜くと、男はあっさり気を失った。
政宗が歩いてきて、残りの3人を凄惨な瞳で見下ろす。
「あーあー。無様だな。
死ぬ覚悟も無く、こんな大それたこと、よく考えついたもんだぜ」
刀を抜かれてもいないのに、鋭い切っ先に切り刻まれたような感覚に、男達は竦み腰を抜かし、呼吸も忘れてしまった。