第28章 鷹狩の蛇
その男の絶叫に思いの外、苛立ちがつのって、
瑠璃は、更に足で、柄を踏み込んだ。
「ゔゔぁ……ぁ"あ"あ"ぁーーーーぁぁっ」
男も更に声を上げる。
「命の大切さも知らんと、自分の命だけ惜しいやなんてっっ。
図々しいなぁ」
ぐぅぅっ と柄を踏み込む瑠璃は、まさに阿修羅の如く。
涙を流しながら喚く男を睨みつけている。
「ゔゔ…ゔ…ぁぁ…ぎゃぁぁ〜〜ぁ…ぁ」
痛みに気が狂いそうな男は、声にならない悲鳴を上げ続ける。
「死ぬわけでもあらへんのに……煩いっ」
拳を握りしめ、苦渋の表情をして男達を再度睨み付けると、振り切るように背を向ける。
後方で自分を見守っていた政宗の横を、
無言で擦り抜けると、その場から離れて行った。