第28章 鷹狩の蛇
「えっ?ど、ど、いっゃぁっ、怖いっ」
「身体を丸くして、頭を庇って!絶対に丸まって!いいですねっ⁉︎」
瑠璃が声を大きくして、説明する。
美弥が聞いているかいないかは、
落ちてみないとわからない。
(賭けるしかないっ)
下はまだ青草のクッションか続いている。
今のウチなら怪我も少ないと考え、落馬させる判断をした。
コレが最善の判断と思いたい。
そして、左へ強く、手綱を引く。
(緩まれ、緩まれ…左へ、行って……)
左へ強く、力一杯。
方向をーー
(変えてーー!)
一瞬の減速。
見逃さない。
「美弥様、ごめんなさいっ」
馬に必死にしがみついていた美弥を、瑠璃が押した。