第28章 鷹狩の蛇
春のある日 鷹狩が、催された。
一行は朝から城を出発し狩場へ向かう。
「天気が良くて よかったですね〜」
美弥が信長の腕の中から空を見上げて話す。
「俺が出掛ける時は晴天と決まっておる」
「瑠璃さんも一緒したかったなぁ〜。
信長様、なんで呼んでくれなかったんですか?」
残念がる美弥。
「そんなにあの女が気に入ったか?」
実際、美弥は拝賀の時、謁見の間で会って以来だ。
だからこそ会って話がしたかった。
「気に入ったって言うか…。
一度しか会ってないし、あの日あんまり話せなかったから、もっと話したくて…
歳も近いと思うんですよ〜」
しゅん……
項垂れる。