第26章 弓馬競技会
「それもよろしいかと。
先日、城内で玉瑛に刀を振るっていた者がおりまして、処していただきたく存じます」
光秀が金色の瞳を光らせる。
「だったら、俺が切っても良いですか?」
家康が凍えそうに冷たい声音で男達を見渡す。
「おい、切るのは俺の役目だ。
お前はコイツらを矢立の的にでもしろ」
蒼い瞳が爛々と輝き、家康とは対照的に熱を持つ好戦的な声。
快活で不敵に笑う政宗。
「ああ、それもいいですね。
全急所を狙う練習台にでもしましょう」
笑いもせず淡々としている家康に、皆、真っ青だ。
「全急所…目、口、喉、胸、それと……
どこから狙うのが良いのでしょうか?
どれ位刺さったら絶命するのかも、知りたいです」
実験台扱い。
真剣に考えながら呟く、天然 三成の恐ろしさ。
「処罰の仕方はゆっくり考えるとして、だ…
玉瑛の能力は有り余る。
貴様ら、明日からは嫉妬する前に頭を下げるのだな」
清々しく笑うと、信長が立ち上がり、武将達も後に続く。
「玉瑛。何をしておる。貴様も早く来い」
信長が悠然と振り返り、瑠璃を呼ぶ。
瑠璃の勝利の瞬間だった。
「はい」
瑠璃は、その場に残される男達を、
一瞥もせず歩き出した。