第26章 弓馬競技会
他の武将達も何気なく、射る姿や的の当たりを見ているようで、参加者の行動をぬかりなく見ていた。
自分の順が来るまで、控えているあいだ、
何をしているか、何を話しているか見る。
その為の野外でもあった。
影になり遮る物がなく丸見え。
統率、均衡を乱す者、他人を敬わず、
蹴落とそうとする者は、集団にも家臣にも向かない。
独り、少し離れた後方に控え立っている瑠璃の身体が揺れた。
(瑠璃…)
わざと肩をぶつけて瑠璃の横を過ぎる者。
おそらく足を踏もうとしたのだろう動きの者も見てとれた。
(瑠璃様、大丈夫でしょうか)
三成の表情が憂う。
(アイツら、全員 引きずり下ろしてやる)
家康が冷たく厳しく見留める。