第25章 不安な夜に寄添う(R18)
(こっ酷く 叱られたのか)
失敗続きで怒られ、すっかり気落ちしてる様に見える。
「馬だってしんどいんです。だから…
分かってるんです。分かってるのに、出来ないっっ。同じ失敗をして、あまりの出来なさに…苛々するんですっ。
早く出来るようにならなくちゃ 駄目なのに!」
気落ちしているのかと思ったが、そうでは無く、
悔しくて出来ない自分が不甲斐ないと、責めている。
「家康様に何度も同じ事を言わせ、手を煩わせている…」
「おい、瑠璃。まだ3日だろ。結果を焦りすぎじゃないか」
落ちつかせるように、慰めるように言葉をかける政宗。
その言葉に顔を上げた瑠璃は厳しい表情で政宗を見る。
「もう3日です。
習得しろ、と言われ、返事をしたからには、
早く出来なくちゃ駄目なんですっ。
しかも、催しまで時間がありません」
焦燥感と脅迫染みた執念。
政宗が初めて感じる瑠璃の姿だった。