第24章 家康の特訓
人と馬の攻防を制したのは人。
白石は一旦、瑠璃を乗せ、立ち上がり振り落とそうとせず歩き出した。
意地悪く自分の馬を当てて、瑠璃の腕を見てやろうとしていた家康。
平気そうに装ってはいたが、内心、
どうなることかと気を揉んでいた。
一旦、白石が従った事で、3人共 安堵していた。
馬場を一周して2人の前に馬を止めようとした時、
それは突然だった。
「「「‼︎‼︎」」」
止まるどころか白石が、急に駆け出した。
「「瑠璃っ」」
「白石っ」
瑠璃は咄嗟に強く手綱を握り直す。
馬は馬場を疾走する。
しかし、ただ疾走していたのは束の間で、
後脚を跳ね上げ、走りながら尻っぱねようとし始める。
片手を離せば、ロデオ大会さながらだ。