第22章 政宗の小姓(R18)
麗しく美しく姫が信長と2人、仲良く話をしていた、しかも、耳元で言葉を交わすほど親密な様子だったと、瞬時に城中に知れ渡る。
瑠璃の姿を見るのは初めての者も大勢いて、麗雅な瑠璃を見た者は男女とも、その美しさに虜になる。
太陽の下に居て、月のような美しさなのだ。
まさにこの時、家康の思った通り瑠璃は美鬼だった。
「おや、今日は城に狐が迷い込んでいるようだな」
生温い声がして、その方を向くと、
木にもたれかかっている光秀がいた。
「銀狐か」
瑠璃の側に歩いてきた光秀が、
月白色のケープを撫でて肩を抱く。
「光秀様は狐狩りなさらないでしょう?」
瑠璃はたおやかな笑みで光秀を見上げる。
「いつもはするが、今日は止めておくか」
金色の目が細められる。
「しかし…これでバレないとは…」
瑠璃の顎をクイッと上げ、左右の横顔を確かめ、不思議そうにする。
「何かあれば言え」
その言葉に瑠璃は嬉しそうに笑顔を見せた。
その後、光秀とも親しくしていた、と言われる事になり、信長、参謀光秀とも親密な姫として、城中の者全員が瑠璃への態度を再考する事となる。