第22章 政宗の小姓(R18)
「美弥様はもうお会いになったでしょう?」
「どうでした?どんな感じの方?」
「歳はお幾つかしら?」
グイグイ来られて美弥はたじろぐ。
「……ごめん、まだ、会ってないの。今日は忙しくて」
「「「えーーー!」」」
乙女達、残念……
すごすごといつもの場所に座り直す。
(言えない…言ったら今日は仕事にならないよ…)
乙女達にとっては、玉瑛は魂を抜かれるほど麗しいからだ。
女性の美弥から見ても、立ち居振る舞いが女性の様に優雅で麗しく美しかった。
(…だから、皆、ごめんね……)
美弥は心の中で謝る。
しかし、騒ついたのは女達だけではなかった。
今まで、小姓など付けていなかった政宗が、小姓を付けたと言うのだ、下層の家臣達は政宗の目に留まること、取り入る事が難しくなったと言う事になる。
そこここで陰口、悪口、良く知りもしないのに、
瑠璃への誹謗中傷が飛び交う。
「なんだ、あの妖童」
「あれが、伊達様の好みか?」
「まるで女だな」
「刀も使えなさそうな細腕で、なにが出来るってんだ」
「伊達様より石田殿とお似合いだ」
盗み見ては嘲り、せせら笑う男達。
それでも政宗付きの小姓、その事が妬み嫉みの対象となる。