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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第18章 女神の創傷



「瑠璃、今朝あの時、なんで泣いた。
何を思って泣いた。教えてくれ」
政宗の顔は見えないが、声が真剣だ。
「………」
「話すまで、ずっとこのままだぞ」
政宗は、抱きしめる腕の力を緩めない。
「………」
瑠璃は、グッと政宗の身体を押し、顔を上げ政宗を見上げる。
(ちゃんと……)

朝は顔も見ないで言ってしまった言葉を、もう一度紡ぐ。
「ただ、最初に、褒めて欲しかった、だけです……」
「それから?」
政宗は待ってくれている。

(誰がこんな風に私に向き合ってくれた?
だけど、お願い…、これ以上、
心を掻き乱さないで……)

瑠璃の心には反する思いが交差しせめぎ合う。
それでも、見つめた目だけは逸らさない。
政宗も逸らさない。
「言いたいことを言え。受け止める」
その言葉に瑠璃は苛立った。

(受け止める?何を、どうやって?)

無性に苛立った。威嚇、恐れ、苛立ち、
怒り色んな感情の混ざった苛立ちだった。

「…………」
瑠璃は顔を伏せ、瞬息、
「言ったところで、どうなるの」
政宗の胸倉に掴みかかり、感情的に政宗を睨みつける。それでいて静かな声。
瑠璃が初めて見せた憎悪の眼


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