第12章 睦月の旅路(海路にて安土へ)
「痩せちまったな」
「これは、やつれた って言うんです」
昨日最後の峠越え寒く辛い過酷な1日で、疲労困憊だった。
「ここも痩せたか?」
「ふやっあ」
ふにゅ っと政宗が両手で瑠璃の胸を寄せながら包み込む。
「そ、そ、そこは大丈夫ですっ」
逃げるように慌てて、湯船から出る。
小さな腰掛けに座ると、湯桶の中から手縫いと、
白い石鹸を取り出し、泡立てる。
泡立てた手縫いで、身体をコシコシと洗い始める。
「瑠璃、それ、なんだ?」
湯船のヘリに腕をクロスさせた体制で瑠璃を見る。
「見ないで下さい、恥ずかしい」
クルッと背中を向ける瑠璃。
「見る。で、それ何だ?」
「石鹸です。現代では当り前なんですが…。
身体を洗う為の物です」
話しながら、泡泡と洗い続ける。
「現代から持って来たのか?」
「持って来てもありますが、コレは光秀様と城下に出掛けた時にー⁉︎」
じゃぷん と水音がして振り向く瑠璃
政宗が湯から上がってくる。
「洗ってやる」
瑠璃を背中から抱いて、手縫いを取り上げると、腕から、肩、胸、脇腹を優しく洗う。
スルスルと洗われる感覚が擽ったくて、
それでいて、官能を刺激され甘い気分になる。
「ん………」
「首、顔上げろ」
言われるがまま、顔を上げ首を反らすと、
唇が重ねられる。
「ん、ん〜」
重ねられて、深く絡められる。