• テキストサイズ

《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第11章 小田原停泊(R18)




午前中は瑠璃と宿で過ごした政宗。

八つ時未の刻(午後2時頃)、政宗は一人で河口へ向かった。
昨日の河岸へ着くと、ほどなくして、源蔵がやって来る。
「ぴったりだなー」
「時間を持て余してるからな」
ふーん、と言いながら源蔵は、上から下まで政宗を眺める。
「船は出そうか?」
「ああ、あったぜ。
明日、明け六つ半(午前7時)に急いで堺へ向かうって荷船が。
桑名にも寄ってくって言ってた」
自慢気にフフンと鼻を鳴らす。
「助かった。
源蔵、恩にきる」
政宗が礼を言うと、源蔵は、
「礼なら、その刀、抜いてみてくれねぇか、兄さん」
政宗は無言で刀を抜いて応えてやる。

源蔵が真剣な眼差しで刀を見る。
切っ先から はばき までを見、
峰から鎬(しのぎ)、刃先までを見る。

「お前、鍛冶なんだってな。薬屋の爺さんが言ってた。
刀も鍛えるのか?」
源蔵の表情が沈む。
「……そのつもりだったんだ。
けど、最近は明(みん)に出す為の
数打ち物(粗製濫造刀)や農具を作らされるんだ…
俺は、兄さんの刀みたいな刀を造り出したいんだ…」
拳を握り悔しそうに源蔵が唇を噛みしめる。

/ 1530ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp