第63章 (終章)笑桜舞う春
提灯と篝火を沢山掲げられ、煌々と明るく城中が照らされる。
城下からも安土城の側壁や大手道の桜が見れるよう、全てに提灯が下げられた。
宴は城に残っている者が全て参加しての、大きな物になっていた。
「瑠璃様〜お久しゅうございます!」
「どれほど、お待ちしていたとお思いですか⁉︎」
「さみしゅうございました」
「麗しの瑠璃様がいなければ、
私達は何を楽しみに城に奉公に上がったらいいのか分かりませんでしたわ」
瑠璃の周りには女達が張り付いて、
瑠璃の帰りを口々に祝した。
飲んで食べて、皆、桜の下で笑っている。
男も女も、そこにいる者が楽しそうだ。