第60章 曠日持久の心苦
「そんな…危ないこと…」
一度や二度の出陣じゃない事は、
家康や信長の話っぷりから察していた瑠璃。
(何度も……)
「私…ここに戻って、政宗がいなかったら……どうすれば……」
瑠璃の自分主体のその言葉に、
政宗が思いがけず声を荒げた。
「1年半だぞっ。」
瑠璃をキツく睨みつける。
「じゃぁ、その間、俺はどうやって待ってればよかったんだよ‼︎
突然、見てる前で、いなくなったっ。
帰ってくる確証も、探す手立ても、なんにもわからねぇのにっ。
ただ待つことも、諦める事も出来ず……」
苛立ち、耐え、苦悩、持ち得る全ての感情に歯軋りしたあの時間。