第54章 それぞれの流光
「その様子では、独りで慰めるしかないな」
さらに、からかう光秀に政宗は苦笑しながら
「そうだなぁ〜。
他の女を抱くくらいなら、
瑠璃を想いながら、自慰する方がマシだと思った」
政宗の答えに光秀の眼が光る。
「それほどにまで、あの女が良いか」
「ああ、イイね。
俺が仕込んで、俺好みに仕上げた、
俺だけの身体だからな」
自慢げに、それでいて寂しげに笑う政宗に、
流石の光秀も胸が痛んだ。
「俺も1度拝みたいものだ」
「だーめ、だっ、絶対。斬るぞ💢」
「冗談に決まってるだろう。
…が、俺も瑠璃が必要でな」
光秀の言葉に、政宗が威嚇の眼向ける。
「そう威嚇するな。
ヤツは俺の…優秀な参謀殿だ」
小さな弾丸をジャラジャラと手の中で玩び
困った顔をした。
(お前を待っているのは、政宗だけではないのだぞ)