第52章 隔世遼遥
「500年後に…現代に、戻されちゃったのかな…」
「知らねぇよっ!」
どうしようもない苛立ちに、冷静さを失う。
「政宗。美弥に八つ当たりするなよ」
秀吉が諫め、政宗を励ます。
「きっと、戻って来る」
「そうですよ、政宗様。すぐに戻っていらっしゃいますよ」
三成も続けるが、そんな2人に政宗が殴りかかりそうな勢いで吠える。
「確証なんてねぇだろうが!
気休め言ってんじゃねぇよっ‼︎」
でも、
「…戻らないって、ずっと俺のそばにいるって言ってたのに、どうして…
今更っ、どうすんだよ……」
弱気になる。
心が荒む。
「政宗、やけになるな。
しっかりしろ。
信じて待て。
お前が、帰ってくると信じていなければ、
戻って来ようにも戻って来れぬではないか」
鬼、神、迷信の類は信じないと言った信長が
「アレは、貴様の女神であろう。
信じてやれ」
と 笑った。