第52章 隔世遼遥
何にでも首を突っ込みたがる女。
その女、美弥は、政宗を見かけるたび寄って来て、
「ねぇ、政宗、最近 瑠璃さんは?」
「今日も忙しいって?」
「明日は来る?」
「風邪でも引いてるの?」
呆れるほど、ウンザリするほど、
政宗を質問責めにする。
ここの処、毎日。
「政宗、私が瑠璃さんに会いに行って良い?」
無邪気に何の考えもなく、
瑠璃に会いたいだけで、そう言って、
小首を傾げ政宗を見上げてくる。
悪気は無い、それはわかってる。
「っっ…くっ…」
拳を握り締め耐えようとするが、
(コイツ……)
無邪気な無神経さが恨めしく腹立たしい。