第50章 追懐秋天(R18)
顔を伏せていたら、顎を掬い上げられ、
柔悦な笑顔で覗き込まれた。
「////…っっ…」
その指先を振り切って、さらに赤くなってしまった顔を隠す様に、政宗の首に腕を巻き付けて、抱きつく。
「…政宗は…いつも、余裕で…ちょっと口惜しいな…」
苦笑が漏れた。
「私は、政宗に、勝てそうに、ない」
チュッ❤️
側にある政宗の頬にキスをして、耳朶を喰む。
「!っつッ、なっ、コラッ‼︎」
政宗がひどく慌て、頬やら耳やらを押さえているのが、無防備に可愛くて、笑ってしまった。
「あっははは〜っ、してやったりーーっ!
政宗、可っ愛いっ」
昨年の秋の決別の日も、不意打ちで頬にキスをした。
私の政宗への心の距離は確かに近くなった。
大好きな人とは近い距離でいたい。
分かり合いたい。
心も身体もーー。