第49章 創痕緩癒(R18)
「痛い熱いはなんとらやら、って言いません?」
笑って見せる。
それこそ、辛さを隠して普段通りに。
「怪我をして痛いのは当たり前。
治ってくれば痛くないのも当たり前。
私が泣かない?
泣いたじゃないですか。
正気を取り戻した日、怖かった、辛かった、
死ぬかと思った って泣きました。
でも、それはもう、済んだこと。
政宗達が探し、助けてくれたから、
過ぎ去った恐怖です。
もう、怖くも辛くもないから泣かないし、
思い出しても平気。
今は笑っていられる。
それだけです。
無理してないし、隠してもいません」
そこまで言って、プンッと顔を背けた。