第47章 (終章) 煙の消えた後
家康からは、
『奇声をあげたり、暴れたりする可能性があります。
突然、走り出し、逃げ出すかもしれませんから、十分に気を付けて下さい。
なんなら、手足は縛っておくことをおすすめします』
と言われていた。
しかし、瑠璃は目覚めている時は、
虚ろに宙を眺め座っているだけ。
まるで人形のよう。
暴れも逃もしないが、時に涙を流し、
静かに泣いたりする。
(何を見てるんだろうな……)
呼び掛けても話をしても、答えは無い。
瞳に何も映らない。
自分が助けを求めた 政宗さえも映さない。