第47章 (終章) 煙の消えた後
「そうだよ。
攫われ、監禁されてた間、オオアサを吸わされてる。
それに、ひどい暴行も受けてる。
だから、見舞いになんか行っちゃ駄目。
絶対ダメ、いいねっ」
何度も念を押す。
「……」
「容態は話したから、もう帰りなよ」
「…家康ぅー…」
「…そんな目 しても、駄目なものはダメだから」
尚も冷たい声でダメ出しをする。
(今の瑠璃を見たら、アンタは…)
泣き崩れるだろう。
今よりもっと自分を責めるだろう。
瑠璃を想って絶望するだろう。
(だから行くな。
ボロボロなんだよ……だから、
行かないでやって……)
「誰か、美弥を城へ送り届けて」
家康は渋る美弥の腕を引っ張り上げ、
半ば無理矢理 立ち上がらせた。