第46章 狂地からの救出
そんな瑠璃があんな有様だったとは思いたくなかった。
(君は…絶対、堕ちない…汚れなんかしない)
そう思いたかった。
目の前の光景の女達を、瑠璃に置き換えるのを、俺は必死に堪えていた。
まるで、魑魅魍魎のように廃人と化した男女。
淫行の伏魔殿のようだった廃屋敷の中。
思い出したくもなかったが、思い出してみれば、そこで見た女も男も、大麻に蝕まれ、我を失くして、
快楽と狂妄の底ではあったが、瑠璃のように、
嬲られ、痛めつけられ、傷だらけの者はいなかった。
誰一人として。
なのに、瑠璃は必要以上に痛ぶられている。
何故…
(女達は売り物で、瑠璃は「信長の女」だから?…)
どちらを考えても許せなくて、怒りが込み上げる。