第46章 狂地からの救出
踏み込んだ廃屋敷の中は格子をつけられ、
牢のように作り直されていた。
刻み香に混ぜていたのだろう、大麻(オオアサ)の臭いの充満した不衛生な部屋に入れられていた女達。
それを見た瞬間、俺は目を覆いたくなった。
(あんなの、戦場の方がマシだ)
と、思ったくらい。
(飼い殺し…)
大麻で狂わされ、奇声を上げる女。
誰彼構わず絡み合い快楽を得る男女。
意思も締まりもない笑を溢し、這う女。
(瑠璃…君もこんな風にしていたの?)
俺の中の瑠璃は、いつだって、
澄まして麗しく、品位があって、強く優しい。
そして、寂しい。