第46章 狂地からの救出
しかし、
屋敷内を探しても
「見つかりませんね」
「何処へ行きやがった」
瑠璃も小泉も見つからない。
ここで逃したとか洒落にならない。
庭を歩きながら、ふっ と目に入った蔵。
「…?……家康、あの蔵、誰か調べたか」
「兵士達はまだ外に出てませんから、多分、誰も…」
「蔵の鍵關(かんぬき)、外れてないか?」
「ーー…ます、ね」
顔を見合わせる。
俺達の兵でないとしたら、鍵を持って、
誰かが開けたとしか考えられない。
鍵を持っている誰かーー……
そう
屋敷の主人しかいない。