第46章 狂地からの救出
船商家、下間氏の屋敷、廓、全てを捜索し、出てきたのは、船港使用権の偽物、大金、
阿呆煙草、と それの虜になった遊女達。
探し者は見つからなかった。
立派な収穫ではあったが、瑠璃を探している俺達には、今日 半日が骨折り損。
『労而無レ功』(ろうすれどこうなし)
(もう目の前、鼻の先に迫っていながら…)
落胆と惜悔(せきかい)に苛立ちを隠せなかった。が、
「そう気を落とすな。
これで、捕らえて拷問する大義名分が出来た。
正々堂々と尋問するぞ。クッククク」
訳のわからないような、分かるような事を言って、光秀が愉快そうに喉を鳴らし、金色の眼を鋭く光らせた。
※惜悔…残念でくやしく思う。