第45章 煙に隠れた人探し
くっふふふふ…
(…カエルの妖怪みたいやわぁ〜…)
瑠璃がまた笑う。
こちらも狂気に侵食されている。
「笑うなと言ってるだろぉ〜っ!」
怒目怒声*(どもくどせい)で、蛙男はそこにある物を手当たり次第手にして、瑠璃を傷つけ始め、それは、大麻の効果が切れるほど長時間に及んだ。
瑠璃は、歯を食いしばり、
目を瞑り、拳を握りしめ耐えながら、
政宗を想った。
(政宗……私…ここだよー…政宗…)
(もう、目と鼻の先に居るはずなのに…)
届かない。
(何処にどうしているんだ瑠璃っ)
「くっそぉっ」
政宗は歯軋りしながら、憤惋*(ふんわん)として、握り締めた拳を柱に力一杯叩きつけた。
※怒目怒声…目を吊り上げ、大声でいかる。
※憤惋…いきどおり悔しがる。