第45章 煙に隠れた人探し
たったひと晩で薬物の数々の症状が出ていた。
もう既に、歩行失調で足に力が入らない。
這いつくばりながら、湯のみへと手を伸ばす。
(しっかり、する…のよ…瑠璃………
……まさ…ね……助けて…政宗…)
瑠璃は左手をグッと強く握った。
信長は宿で報告を聞いていた。
「大きな船商家 数軒が港を優先して
利用しているようです。
その商家は北前船だけでなく、
南蛮、明の船とも取引があるそうです」
「船の数を誰かが工作しているのは間違いないと思います」
三成と家康の報告に、信長は不満を表す。
「貴様ら…誰か が分からねば何の意味もないではないか」
「申し訳ありません」
鉄扇で脇息をピシャ と打ち付けられ、
三成が頭を下げる。