第45章 煙に隠れた人探し
「へぇー。さすが、北前船が停まる港だけありますね」
家康がさして感心も関心もなさそうに感想を述べる。
「家康、お前な…興味なさそうに感心するなよ」
「興味はありますけどー…「嘘つけ」
…ずっと 馬 飛ばして来て、疲れたんですよ」
政宗に突っ込まれて、ムッとしながら、
家康がどうでもいい理由をつける。
「疲れたなら茶屋にでもいくか」
「お、いいな」
光秀の提案に政宗が乗る。
「光秀さん、俺は甘い物は好きじゃありませんって、知ってるくせに……」
光秀の嫌味と受け取った家康は
ジロっと睨んで拒否する。
「ならば、俺と政宗は茶屋に行ってくる」
「そうだな〜、小腹でも満たしてくるか」
「お前は三成と楽しめ」
光秀が悪魔の笑みを浮かべた。
「えっ!ちょっ、ちょっと!…」
家康に三成を押し付け、置き去りにして光秀と政宗はさっさと行ってしまった。