第44章 煙に霞む屋敷廓
「くっっ……、女のクセにっ💢
まぁ、いい。
その威勢いつまで持つかな。
貴様がオオアサ に堕ちたら、存分に痛めつけてくれるわ」
ぐっっ と着物の胸元を掴まれ、
引っ張り上げられ、蛙顔に間近で睨みつけられる。
「オオアサに落ちてから、どんなに痛めつけられたかて、痛くも痒くもあらへんで。
むしろ、心地ええやろうなぁ」
うふふふ っと
狂気めいて妖冷に笑って蛙男に言葉を吐き捨てた。
「チッ、この女ぁ」
舌打ちされ、引き摺られると、奥の格子部屋へ放り込まれる。
「どうせ逃げれはせん。縄は解いてやる。
特別に褥も用意したが…すぐに必要なくなるだろうな。
せいぜい、頑張ってみるんだな。はっはっは」
鍵を掛け高笑いを響かせながら、男は行ってしまった。
瑠璃は急いで、香と大麻の煙の充満した部屋を見回した。
助かる望みを探して……。