第8章 [う] うちにおいでよ。....R18
その日を境に、俺たちは時間が合えばよく一緒に居るようになった。
「茉莉ちゃん、コタツで寝ると風邪引くぞー。」
「へーきへーき。テツくん、お母さんみたい。」
「なぁ、チャンネル変えていい?」
「いーよー。」
あの日初めて彼女の部屋に行って以来、度々買い物に付き合って、いろんなものを買い揃え部屋はだいぶ充実したはずだった。だけど茉莉ちゃんは、気が付けば俺の部屋にいて、お世辞にも大きいとは言えないコタツに潜り、俺の隣で寝転がっている。
(同棲したてのカップルってこんな感じなんかな。)
くしゃりと乱れた髪をそっと撫でる。
すると彼女は"ん?"と、いつもの鼻から抜けるような甘い一文字と一緒に、眠たげな目で俺を見上げた。
「何でもないデース。」
「私、じゃま?」
「ちっげーよ。」
少し不安げに変わる視線に、俺の鼓動はドクンドクンと音を立てる。
邪魔だなんて、思うはずがない。
「キスしたいなーって、思っただけ。」
いつからだろう。
昨日?一昨日?
たぶん、初めて茉莉ちゃんに会ったあの日から、俺の心が彼女に惹かれる事は決まっていたように思う。
寝転がったままの彼女の顔に、俺はゆっくり顔を近づけた。
「驚かねーの?」
「うん。」
「嫌じゃない?」
「、、、たぶん。」
鼻と鼻がくっつきそうなくらいの距離。
彼女の前髪を搔き上げるように撫でて、コクリと小さく頷いたのを確認し、俺はゆっくりキスを落とした。
「俺、茉莉ちゃんの事、好きみたい。」
「テツくん。すっごく顔赤いよ?」
「うるさいですー!!仕方ないだろ、告白すんのとか初めてなんですーー!!!」
「ホントにテツくんて面白いね。チャラそうなのに、案外マジメなんだね。」
「失礼な!」
「だってモテそうだからさ。」
「告白された事ならあるけど、したのは初めてなんだよ!ダメですか!?」
「ふふふっ。ダメじゃないよ。、、、ね、もう一回、、、」
甘えるような声。
俺の首に絡みつく両腕。
さっきよりも深く、深く、、、
唇を重ね、熱い舌を絡ませ合い、
頭がクラクラするくらい俺たちはキスをした。